松田龍太郎

からくりの背景から

からくりについて、背景から紹介していきます。10年以上前からからくりのセミナーを、某企業様から定期的に開催させて戴くようになり、現在もこれに関係したセミナーも行っています。海外でもからくりの原理原則を紹介し、生産設備に導入し楽しみながらアイデアの発掘をしてもらっています。

西洋では、約二千年まえにテコを利用した「自動聖水装置」が考案されました。そ  れ以降に、自動装置として機械時計が発達してきました。日本では、平安時代に灌漑用にからくり人形が使われたのが始まりとされ、それ以降祭礼用や見世物として山車や人形で発達しました。


元は古い時代より、中国からの機巧品(からくり)を応用していました。江戸時代の鎖国の時に、南蛮から機械時計が入ってきました。その機械時計から、ゼンマイ、歯車、バネなどの自働機械の機構品を目にしたのです。その時から竹田近江が、からくり芝居にこれらを応用しました。これが祭礼や見世物だけでなく、茶運び人形、段替返り人形などに発展していきました。江戸時代末期に田中久重(東芝製作所のちの東芝を設立)がからくり人形の最高傑作の「弓挽き童子」を製作しました。現在2 台残っており、トヨタ自動車博物館に1 台あり数億円するお宝になっています。


日本には古くから傀儡師(くぐつし)という「あやつり人形」の伝統がありました。あ
やつり人形には糸が見えますが、からくり人形にはその糸が見えないようになっているのです。これものちの機会に紹介したいと思います。


江戸時代初期には、歌舞伎や見世物への期待が強く、遊びの精神が謳歌していた時代です。当時の傀儡師(今でいうと技術者?)は、思うままに自らの技術、工夫を試してみる世界観があったようです。いわゆる「遊び」の技術だと思います。からくり改善展にユニークな設備名がつくのは、この影響だと思います。


からくりから学ぶというのは、自ら考えるという最も人間らしさを発揮する良いツールです。遊び心をもち、すぐに「やってみる」という精神を育みます。それは企業風土まで変えていくものと考えますので、このサロンを活用して皆さんとの楽しい交流の場にした いと思います。



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