「モノ」を保管する「場所」
原材料や部品、半製品、製品を保管する場所が保管場所です。
何がどこにいくつあるかを管理するのが在庫管理。
その在庫品の評価額がいくらかを管理するのが原価管理。
基本的に在庫管理は数量で管理し、原価管理は金額で管理します。
モノが入出庫のたびに在庫数量や原価金額が更新されます。
前述のように、モノには原材料や部品、半製品、製品などがあります。
物理的な場所という観点でも、場所には、工場や倉庫、営業所などがあります。
生産に必要なモノを生産現場に用意しておくためにも、
モノがどこにあるかを把握することはとても重要なことです。
「そんなの当たり前」と言われてしまえばそれまでなのですが、
実際の現場では意外とできていないものです。
保管棚
モノを保管をする際にA工場にあるとか、B倉庫にあるとかでは、
大ざっぱすぎるとした場合、もう少し細かな単位で管理します。
その単位を保管棚といいます。
倉庫であれば、例えば、
・階数
・ゾーン
・ブロック
など、いくつかの区分に分けてモノを保管します。
例えば、入出庫が頻繁なモノについては、
1階の入り口近くのAゾーンのなかでもさらに入口に近い1ブロック
というケースなら、保管場所コードが[1-A-1]となります。
(上記保管場所コードは架空の例です。
ブロックやゾーンの区分名や意味合いは会社によってまちまちです)
共通在庫
保管するモノがそれぞれ異なる原材料、部品であれば、
保管場所や保管棚が異なっていることは意識できます。
しかし、保管するモノが共通部品であり、
かつ共通部品であっても工程の場所の関係で、
保管場所や保管棚が複数に点在している場合、
同じモノだからどこに入荷しても、またはどこから出荷しても
構わないというような意識になってしまいがちです。
これでは在庫管理ができませんし、
共通部品を必要とする工程へのスムーズな移動に支障をきたします。
かといって保管場所や保管棚を1か所に集中させてしまうと、
工程によっては動線が長くなってしまうことも考えられます。
したがって共通部品であっても所定の場所(保管場所や保管棚)で
きちんと入出庫をする運用が求められることになります。
単位
モノを数える単位はモノにより様々です。
個(Each)、
長さ:ミリメートル(mm)、センチメートル(cm)、メートル(m)、キロメートル(km)など
重さ:ミリグラム(mg)、グラム(g)、キログラム(kg)、トン(t)など
面積:平方センチメートル(cm²)、平方メートル(m²)、平方キロメートル(km²)など
体積:ミリリットル(ml)、センチリットル(cl)、デシリットル(dl)、リットル(l)など
時間:秒(s)、分(min)、時(hやhour)、日(dやday)など
・・・・
上記は汎用的な単位といえますが、
特定のモノには独特の単位があります。
例えば、紙。
http://takeopaper.com/about_paper/weight/
顧客からの受注、仕入先への発注、自社内の在庫は
どういう単位(長さ、重さ、面積、体積、時間等)で取り扱うのか。
受発注、在庫を同じ単位で管理するなら話は簡単なのですが、
受注する際の単位、発注する際の単位、在庫する際の単位が異なる場合は
単位変換が必要になります。
前回ご紹介した「紙」の坪量(米坪)や連量など複数の単位で管理する場合は、
それぞれの単位で値を表記する項目を用意する必要があります。
返品用、修理用、貸出用保管場所
以前に「戻入」の例として、
「キャンセル返品」、「修理返品」、「レンタル返品」があると述べました。
保管場所も上記に応じて、
・「キャンセル返品」用保管場所
・「修理返品」用保管場所
・「レンタル返品」用保管場所
に分けると、モノの戻入状況に合わせた数量管理が容易になってきます。
「修理返品」の場合、例えば、返品した修理対象品を「修理」用保管場所に移動し、
修理後、顧客へ再納品します。修理の間、代替品を顧客へ一時貸し出す場合や、
「レンタル品」の場合は、例えば「貸出品」用保管場所を設けます。