製品はいくつかの製造工程を経て完成に至ります。
例えば、
部品加工-->組立-->塗装-->検査
というように。
この工程における資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を用いて
品質、コスト、納期に留意し、所要の製品・サービスを作り上げていく。
この工程に関連する諸活動を管理していくのが工程管理です。
ここで管理とはざっくりいえばPDCAを回すこと。
計画を立て、それを実行し、実行結果(実績)を計画と比較し、
差異があれば改善策を講じる。この繰り返し。
製品はいくつかの製造工程を経て完成に至ります。
例えば、
部品加工-->組立-->塗装-->検査
というように。
この工程における資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を用いて
品質、コスト、納期に留意し、所要の製品・サービスを作り上げていく。
この工程に関連する諸活動を管理していくのが工程管理です。
ここで管理とはざっくりいえばPDCAを回すこと。
計画を立て、それを実行し、実行結果(実績)を計画と比較し、
差異があれば改善策を講じる。この繰り返し。
製造の流れ
生産計画、設計を所与のものとして、
ざっくりいえば、下記のような製造の流れになります。
製造指図→資材出庫→製造→製造完成→完成品出荷
具体的な製造の工程は、個々の製品・サービスによって異なります。
Webから例本田技研工業株式会社の例をみてみます。
「クルマが出来るまで」
http://www.honda.co.jp/kengaku/auto/
「バイクが出来るまで」
http://www.honda.co.jp/kengaku/motor/
品目の定義
ここでは組立品を例にとります。
組立品は製造可能(製造品)という特性を持ちます。
.品目B 2個
.品目C 1個
品目の定義(続き)
前回の構成部品表を例にとります。
構成部品の品目Bと品目Cは仕入先から購入するものとします。
このときの品目Bと品目Cは購買可能(購買品)という特性を持ちます。
なお構成部品は購買品とは限りません。
品目Cが購買品ではなく製造品という場合は、品目Cにも部品構成表を持ちます。
ここでは話の簡単化のために、品目Aのみ製造品とします。
品目の定義(続き)
前回の構成部品表を例にとります。
組立品目の品目A、構成部品の品目Bと品目Cについては、
いずれも保管場所に一時的に保管するものとします。
品目Bと品目Cは仕入先から受入れたら、部品用の保管場所に置きます。
品目Bと品目Cは品目Aの組立作業のために保管場所から取り出します。
品目Aは組立完成後、完成品用の保管場所に置きます。
このときの各品目は在庫可能(在庫品)という特性を持ちます。
品目の定義(続き)
品目は製造品目と購買品目に分かれます。
製造といっても「自製(自作)」と「外製(外作)」があります。
外注加工のような「外製」を「購買」に含めると、
各品目は Make or Buy (自製か購買か) の大きく二択になります。
仕入先に購買を依頼することができる品目は購買品目及び外注加工品です。
品目の定義(続き)
品目にリードタイム情報を設定することができます。
前処理リードタイム
・製造品目:製造依頼を受けてから製造オーダーを出すまでの時間
・購買品目:購買依頼を受けてから発注を出すまでの時間
処理リードタイム
・製造品目:製造をするために必要な時間(製造処理から自動算出するものとします)
・購買品目:発注を出してから購買品目を受け入れるまでの時間
後処理リードタイム
・製造品目:ここでは 0 とみなします
・購買品目:購買品目を受け入れてから入庫するまでの時間
品目の定義(続き)
「11.オペレーション」のところで、
受注生産と見込み生産のお話をしました。
受注生産は受注してから生産するパターンですし、
見込み生産は受注に先行して生産をするパターンです。
これを工程で組立てる部品という視点からみると、
前者は前工程に依頼をして部品を引っ張ってくるプル型、
後者は後工程へ部品を押し出していくプッシュ型といえます。
品目(部品)がプル型なのか、プッシュ型なのかを品目の定義として設定します。
工程BOMの設定(1)
工程の順序を定義します。
ここでは説明を簡単にするため、
組立品Aはそのまま製品として出荷されるものとします。
(1)部品構成表
組立品Aの部品構成表を下記の通りとします。
品目A
.品目B 2個
.品目C 1個
(2)工順
製品は下記工程順序を経て完成に至ります。
組立-->塗装-->検査
話の簡単化のため、各工程をさらに細分化することは略します。
(3)工程BOM(その1)
工順情報に生産資源や部品構成表などの情報を紐づけます。
ここでは組立品目Aの組立工程に着目します。
工程BOMの設定(2)
作業者、設備、治工具などの生産資源を工程情報に紐づけます。
ここでは組立品目Aの組立工程に着目します。
(1)作業者
品目Aを組み立てるための作業員は下記の通りとします。
品目A
.組立
..作業員甲 10分
..作業員乙 20分
(2)設備、治工具
品目Aを組み立てるための作業員は下記の通りとします。
品目A
.組立
..設備α 1台
..設備β 2台
(3)工程BOM(その2)
生産資源(作業者、設備)を工程情報に紐づけます。
工程における取引
下記のような順序で製造が行われるとします。
製造指図→資材出庫→製造→製造完成→完成品出荷
(1)製造指図
計画に基づき、製造オーダーを作成します。
(2)資材出庫
原材料・部品を保管場所から出庫し、組立工程に入れます。
(3)製造(組立)
組立工程において設備を使用して、作業者が組立作業をします。
(4)組立品の移動
組立品を塗装工程に移動します。
(5)製造(塗装)
塗装工程において設備を使用して、作業者が塗装作業をします。
(6)製造完成
製造オーダーで品目が完成したことを登録します。
(7)完成品の入庫
完成した品目を完成品保管場所に入れます。
(8)完成品出荷
完成品を納品向けに完成品保管場所から出荷します。
このようにモノやヒトが動く(作業する)ことを取引といいます。
(1)製造指図
基本的には何を、いつから、いつまでに、いくつ作るかを指図します。
製造オーダーともいいます。
上記項目を下記にまとめます。
①組立品目
②開始日時
③完了日時
④数量
他の指図項目をいくつか例示します。
➄使用する工程BOMのバージョン(改訂番号)
⑥完成した保管場所を格納する保管場所、保管棚
(2)資材出庫
製造オーダーに基づき、製造をします。
前述しました6項目に限定して、製造オーダーの内容を以下に例示します。
①組立品目:品目A
②開始日時:2016/12/05 10:00
③完了日時:2016/12/09 15:00
④数量:5個
➄工程BOM(改訂番号):Ver2
⑥保管場所-保管棚:A01-101
品目Aの構成部品表は下記の通りです。
品目A
.品目B 2個
.品目C 1個
オーダーに基づき、組立品目は➄数量:5個ですから、
品目A 5個
.品目B 2×5=10個
.品目C 1×5=5個
つまり、品目Aを5個作るために、品目Bは10個、品目Cは5個必要になります。
これが資材所要量計算です。
各品目につき、必要な数量を倉庫から出して工程に入れます。
在庫で足りない場合は、仕入先に発注をかけることになります。
そこでいくつ発注すればいいかの計算が正味所要量計算です。
(3)製造(組立)
正味所要量計算の後、購買依頼、発注、入荷、検査、入庫、出庫、工程投入など
資材を工程に入れるプロセスは別途お話するといたしまして、
ここでは必要な量の品目Bと品目Cが工程に入ったとします。
組立工程において設備を使用して、作業者が組立作業をします。
作業者が作業にどれほど時間がかかるか。
下記の工程BOMの例では、組立工程で組立品目A 1個あたり、
作業者甲が10分、作業者乙が20分の作業をすることになります。
作業者ごとの時間当たりの賃率(円)が予め設定されていれば、
直接労務費(= 作業時間 × 賃率)が求まります。
なお、工程BOMに設定されている時間はあくまでも設定値です。
その設定でよくなければ、その製造オーダーに限って、
予定時間数を変更することになります。
また、実際の組立作業で実際の作業時間が予定と異なれば、
その差異は直接労務費に影響してきます。
ですので、実際の作業時間を把握し、予定との差異を算出しておくことは
後でとても大切になってきます。
(4)組立品の移動
組立品Aは塗装工程に入りました。
製造オーダー#XXXの組立品Aが今どこの工程にあるかを把握することはとても重要です。
(5)製造(塗装)
塗装工程において、設備を使用して、作業者が塗装作業をします。
例示は省略しましたが、製造オーダーで指定された工程BOMに基づき、
作業を担当する作業者及び使用する設備が指定されます。
作業者は個人単位の指定もあればグループ(班)単位の指定があります。
(作業者の作業時間と単価などから)作業者の直接労務費、
(設備の使用時間と単価などから)設備の直接経費が算出されます。
(6)製造完成
製造オーダーで指定された組立品目が完成したことを記録します。
いつ完成したのか、その実績日を記します。
製造オーダーでの数量が2個で、1個だけ完成した場合は部分完成といいます。
部分完成でも完成の都度、以降の(7)(8)を行う場合もあります。
(7)完成品の入庫
完成した組立品は工程に置いたままにせず、完成品用の保管場所に入れます。
工程にある組立品は仕掛品、完成品保管場所にある組立品は完成品として、
勘定科目上も区別します。
(8)完成品出荷
納品の際には完成品を完成品保管場所から出庫します。
ここでは倉から出すことを出庫、出荷先に向けて荷を出すことを出荷と呼びます。
完成品保管場所→出庫→出荷場→出荷→出荷先